2017音12月24日に中山競馬場で
行われる年末最後の競馬の祭典、
有馬記念が行われ、
そこで1頭の名馬が引退します。
その馬の名はキタサンブラックです。
キタサンブラックの馬主は北島三郎
キタサンブラックと言えば、オーナー(馬主)は超大物演歌歌手である北島三郎さん(馬主登録は大野商事)です。
北島三郎さんは1963年に演歌歌手・春日八郎さんの紹介で馬主になり
馬主歴は2017年で54年になります。
実に半世紀以上の馬主歴ですが
華麗な芸能生活とは反して
馬主としては非常に苦労されています。
最初に手にした愛馬は長男の名前を取ってリユウと名付け、
この馬は今でいう所の1000万下の条件戦を
勝利しましたがそれまででした。
キタサンブラックの成績
2015年1月31日に新馬戦を3番人気でありながら勝ち、
その後、500万下、フジTVスプリングS(G2)を連勝しました。
このフジTVスプリングS(G2)の勝利で皐月賞出走権を得た為、
追加登録料200万円を支払い、クラシック戦線に進出することになりました。
デビューから3戦先勝で迎えたクラシック3冠レースの初戦、皐月賞に出走し3着。
続く日本ダービーは6番人気で14着と良いとこ無しで終えましたが
菊花賞の前哨戦とも言われている朝日セントライト記念(G2)を6番人気ながら見事勝利し、
クラシック3冠レースの最後である菊花賞に5番人気で挑み,
見事勝利し、初のG1制覇となりました。
半世紀以上の馬主生活で初のG1制覇を果たした北島三郎さんは
嬉しさのあまりウィナーズサークルで自身のヒット曲『まつり』を歌いました。
その後も天皇賞・大阪杯・ジャパンカップなど合わせてG1を6勝も挙げています。
主なG1勝利は以下の通りです↓↓↓
・菊花賞
・天皇賞(春)2016・2017
・ジャパンカップ
・大阪杯
・天皇賞(秋)
キタサンブラックは350万の格安馬だった?
2012年3月10日にキタサンブラックは
北海道の日高町にあるヤナガワ牧場で誕生しました。
ヤナガワ牧場は北島三郎さんが馬主になったころからの付き合いで、
実に半世紀以上の付き合いをしています。
そこで生まれたブラックタイド産駒は、
黒くて馬体が細めであったようです。
馬を購入するために牧場に足を運んだ北島三郎さんは
1頭の馬と目が合いその馬を見るなり、
「顔が二枚目。僕とよく似ている」
「目も顔も男前で惚れた」
という理由で購入したようです。
この時の購入価格はわずか『350万円』だったそうです。
競馬に興味が無い方は、ひょっとしたら『高い』と思われるかもしれませんが、
7月に行われる「セレクトセール」では1頭数千万から億単位で取引されています。
1000万円でも安いと言われるような世界ですので、
キタサンブラックの350万という価格は
とんでもなく安い価格となります。
そんな350万円のキタサンブラックが稼いだ賞金は実に『15億円以上』という常識はずれな賞金を手にしています。
50年以上も馬主をされていますのでトータルの利益は殆ど出ていないか
下手すればまだ赤字かもしれませんが、
キタサンブラックは北島三郎さんにとって
かけがえのない愛馬になった事でしょう。
キタサンブラックの種付け料は?
2017年の有馬記念をもって引退し、
種牡馬入りするキタサンブラックですが
果たして種付け料がいくらになるのかが気になります。
G1レースを6勝し、15億円以上稼いだキタサンブラックですから
種付け料は相当な額になるのではないかと思われますが、
そんなに甘くはないかもしれません。
何故かというと「必ずしも子供が走るとは限らない」からです。
これまでにも三冠馬の「ミスターシービー」、「シンボリルドルフ」や
足蹴の怪物「オグリキャップ」など結果を残した名馬が
種牡馬として結果を残すことが出来ずに
種牡馬を引退していった名馬も存在していますので
いきなり1000万を超えるような額にはならないでしょう。
キタサンブラックの種牡馬としての価値
では種牡馬入りする際、
価値はどこで決まってくるのでしょうか?
ポイントは『血統』、『現役時の成績』、『馬体』、『能力』の3つです。
もちろん種牡馬成績が良ければ種付け料は上がりますし、
逆に種牡馬成績が振るわなければ、
どんな名馬であっても種付け料は下がります。
ではキタサンブラックについて検証していきたいと思います。
まずは『血統』から見ていきたいと思います。
父馬のブラックタイドは三冠馬ディープインパクトの全兄になりますが
ディープインパクトは2012年から連続して総合リーディングサイアーに輝いていますので
後継種牡馬が数多く存在しています。
従って後継種牡馬になりにくく、
また350万円という価格で取引されているところを見ても
母系の血統もあまりよくありません。
次に『競争成績』を見てみましょう。
種牡馬入りに関しての第1条件としては、
やはり『G1馬』であることです。
競争能力はある程度受け継がれる傾向にありますので
G1レースに勝つことは種牡馬入りするための条件としては必須とも言えます。
次に『馬体』についてみてみましょう。
う~ん・・・正直あまりいいとは言えませんね。
ハッキリ言って大きすぎます。
歴史的に見ても成功している種牡馬はバランスが良く、
コンパクトな馬体をした馬が多いので、
キタサンブラックのような540㎏前後の超大型馬は種牡馬としては
不向きと言わざる負えません。
では最後に『能力』についてみてみましょう。
成功している種牡馬たちの共通点は現役時にキレの良いスピードを持っていた馬が多いです。
その能力が子供へと受け継がれ、
競争成績に反映されていくのですが、
キタサンブラックには、『キレる脚やスピード』がありません。
天皇賞(春)をレコード勝ちしたように
キタサンブラックは逃げ馬ではありますが
サイレンススズカやエイシンヒカリのようなスピードは無く
ある『程度のスピードで長い脚を使うタイプ』であるため、
なかなか評価しづらい能力であります。
まとめ
勿論、G1をいくつも勝っていますので
確かに強い名馬であることは間違いありませんが、
総合的に見ると種牡馬としての成功は
難しいのではないかと思われます。
社台スタリオンに繋養されるようなので
社台の名牝が集まるようなことがあれば、
母系の力でとんでもない名馬が生まれることもありますが
そうでなければ正直かなりしんどいと思います。